アロマセラピーで注意すること(長谷川桜子)

アロマの注意点

  • 植物のなかには有害なものがあります。ツヨンを含む精油類は、資格をもった芳香療法家だけしか用いてはいけません。妊娠している女性は、ツヨン分を含有する精油を決して使用しないで下さい。セージ油はツヨンを含んでいますが、クラリセージ油には含まれていません。クラリセージ油は、多量の酢酸リナリルを含有しています(ラベンダー油と同じです)。
  • いくつかの精油に含まれている非常に強力な成分で、皮膚に使ってはいけないものに、サフロールがあります。サフロールは皮膚刺激物質です。サフロールを含有している精油は、シナモン油とクローブ油です。しかし、フランスの医師たちは、流感を治療するためにシナモン油を内用するように処方しています。また、クローブ油は歯槽膿漏にたいしてすばらしい効果があります。
  • 精油類をこどもにたいして用いるときには、こどもの皮膚はきわめてデリケートだということをいつも念頭において下さい。こどもには、ひろく研究され、それについて本に書いてある精油だけを使用することです。こどもたちに使うために適している精油は、ラベンダー油、カモミール油、ゼラニウム油、バラ油などです。
  • 家庭で用いるために精油類をブレンドする場合には、精油というものはとても濃縮されていて、非常に強力なものであることを忘れないで下さい。少量で有効なら、大量を使用すればもっと効果があるとは考えないことです。少量だけを使うようにして下さい。
  • 強力すぎるブレンド精油を外用しますと、皮膚に刺激を与えてしまうことがあります。その刺激の特徴は掻痒感と熱感です。こうしたことがたまたまおこったら、純粋なオリーブ油そのほかの脂肪油を皮膚につけて、精油を薄め、分散させるようにします。その部分を水で洗っても、たぶん無益でしょう。
精油の内用は、正しい知識をもった専門家の指示に従うのが基本
精油のなかには強力な作用をもつものもある

精油類を内用する際には、注意し配慮しながら行うことです。芳香療法家のなかには、精油は決して内用してはいけないと主張する人びともたくさんいます。精油類のうちにはとても作用が強力なものがあり、それが胃に刺激を与えてしまうからだというのがその論拠です。

溶剤抽出法による精油(アブソリュート)の場合、注意が必要

また、溶剤抽出法による精油〔アブソリュート〕の場合には、微量の溶剤が残留していることもあるため、注意が必要です。内用するには、必ず正しい知識をもった専門家による指示に従って行いましょう。十分に根拠があり、正しく賢明に使うならば危険はないという自信をもって行える精油だけに限り、用法・用量を必ず守りましょう。